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遺言書の種類とその違い

  生前対策

こんにちは司法書士の中川と申します。

このページをご覧のあなたは、あなた又はあなたの大切な方の遺言書を用意するべくお調べになっているのかと思います。

遺言書は非常に大切なものです。ただし、日本にはその文化がまだまだ浸透しているとは言いにくいのが現状です。

存在は知ってるけど、詳しいことはわからない。あなたもきっとそんな状況だと思います。

そんなあなたの為に少しでも参考になればと思い、司法書士である筆者が遺言書について解説します。

遺言書では何ができる?

そもそも遺言書では何ができるかご存じでしょうか?

大前提として、あなたが遺言によって達成したいと思っていることは、本当に遺言書を残すことによって達成できるのでしょうか?

まずは遺言書では一体何ができるのか?それを知らなければ始まりませんね。
実は、遺言によってできることは法律でしっかり定められているのです。

言い換えれば法律で定められていないことを遺言書に書いても法的には効力がないということです。

遺言でできる代表的なものを紹介します。

①身分に関する事項

・子の認知
・未成年後見人、未成年後見監督人の指定

②相続、財産の処分に関する事項

・遺贈
・法定相続分と異なる相続分の指定
・遺産分割方法の指定
・相続人の廃除
・信託の設定

③遺言の執行に関する事項

・遺言執行者を指定、指定の委託

④祭祀に関する事項

・祭祀主宰者の指定

ただし、法的に効力がないからと言ってそれ以外のことは書いてはいけないということではけっしてありません。

書きたいこと(例えば、相続人に対する感謝の言葉など)があれば書いても問題はありません。

実務上も法的には効力がないことをあえて書いたりすることもあります。

※付言事項については別記事で詳しく解説しています。

▼関連記事:遺言書の【付言事項】とは?

遺言書には種類がある

遺言書でできることをご理解いただけたかと思います。

そして、この遺言書には種類が複数あるのはご存じでしょうか?

遺言は以下のような分類がされています。

このうち、特別方式とよばれる④と⑤は特殊な状況下での遺言方式の為、実務上ほとんど利用されていません。

通常、遺言として利用されているのは普通方式といわれる①②③になりますので、今回はこれらについて詳しく解説しています。

①自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、押印して作成する方式の遺言です。

よくテレビドラマなどに出てくるような手書きの遺言書をイメージしていただければわかりやすいかと思います。

手軽に作成ができるのが魅力ですが、その反面、不備があると遺言自体が無効になってしまうことがあるので注意が必要です。

また、死後には、家庭裁判所での検認手続きが必要になります。

※検認とは:
相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして,遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。
遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。

【メリット】

・手軽に作成できる
・自分だけで作成する場合は、作成に費用がかからない

【デメリット】

・作成方式が厳格であり、不備があると遺言自体が無効となる恐れがある
・死後、家庭裁判所の検認手続きが必要となる
・遺言書が発見されなかったり、相続人による内容の改ざんや廃棄などの恐れがある

②公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証役場で公正証書により作成する方式の遺言です。

公証人という専門家が作成に関与するので、不備などに関しては安心です。

ただし、作成時に公証役場での手続きが必要であり、公証人の手数料もかかるうえ、証人2名の立会が必要となりますので、手軽さという面では、自筆証書遺言には劣ります。

公証役場へ本人が出向くことが困難な場合(例えば入院中など)は、公証人に出張してもらうことも可能です。ただし、別途出張手数料がかかります。

【メリット】

・方式や内容の不備などの恐れがない。
・公証役場で遺言書を保管してくれるので、改ざんや廃棄などの恐れがない
・家庭裁判所の検認手続きが不要

【デメリット】

・作成に公証人の手数料がかかる。
・作成時に、証人2名の立会が必要
・証人に遺言の内容を知られてしまう

③秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言者が遺言内容を秘密にした上で、遺言書を封じ封印したものを公証役場に持参し、公証をうける方式の遺言です。

先程の①と②をあわせたような方式ですね。

遺言の内容を誰にも知られることがないのが一番のメリットですが、内容の確認を公証人も行いませんので、遺言の内容によっては無効になってしまう恐れがあります。

【メリット】

・遺言の内容を秘密にしておくことができる

【デメリット】

・遺言内容が法的に有効かどうかのチェックはされない
・作成に公証人の手数料がかかる
・証人2名の立会が必要
・家庭裁判所の検認手続きが必要

どの遺言を選べばいいの?

遺言がどういうものかわかったし、種類があるのもわかった。

けど、皆さんが一番知りたいのはきっとこれだと思います。

で、結局どれにすればいいの?

筆者としては、①か②、可能であればできるだけ②の公正証書遺言をお勧めしています。

③の秘密証書遺言に関しては、内容を秘密にできるというメリットはありますが、①の自筆証書遺言でも内容を秘密にすることは可能ですし、公証人の手数料もかかる割に内容が法的に有効かどうかの判断はされないので、少し中途半端な方式だという印象です。

そもそも遺言というのは、それが実現されなければ意味がありません。

そういったことからもやはり作成に公証人が携わる公正証書遺言の安心感は抜群です。

ただし、作成や書き直しに少々ハードルが高いのは事実ですのでそういった方は自筆証書遺言を検討するのも良いと思います。

自筆証書遺言に関しては、専門家に相談や、内容チェックをしてもらい作成することをお勧めします。

そうすれば遺言が無効になってしまう恐れはなくなりますし、一度きっちりとしたものを作ってしまえば、書き直しは比較的楽に行うことができます。また、公正証書遺言を作成する時間がないような場合には取り急ぎ自筆証書遺言を作成するといった方法も考えられます。

結論としては、きっちり安心できる遺言を残したい方は、公正証書遺言を!

手軽に作成したいし、将来書き直しをする可能性もあるという方は、専門家に相談のうえ自筆証書遺言の検討をお勧めします!

 

 

 

 

 

 

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